2018/06/22 投てき板撤去、割れる判断 ブロック塀と同構造の遊具
兵庫県
加西市
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大阪府北部地震で、学校のブロック塀が倒壊し、小学4年の女児が犠牲になったことを受け、子どもがボール当てなどをして楽しむ「投てき板」を巡る兵庫県内各市町の対応が分かれている。設置数など実態を把握できていない自治体も多い一方、宝塚市などのように撤去を決めた自治体もある。防災の専門家は「早急に撤去や補修の必要がある」と警鐘を鳴らす。 投てき板は、的や絵が描かれた壁状の遊具で、ボール投げをして遊ぶ。神戸市内の男性小学教諭は「神戸っこは『投げる』能力に課題がある子が多く、ボール遊びに絶好の遊具だったのだが…」と声を落とす。

兵庫県によると、投てき板は、コンクリートブロックを積み上げたものであっても、建物から独立した設備とみなされ、「高さ2・2メートル以下」などの規制がある建築基準法の対象外。ただ、多くの投てき板は高さ2・2メートル超で、鉄筋が入っているか確認すらできない現状があり、文部科学省は「ブロック塀と同様の構造物とみなし、緊急点検でひびや傾きがないかを確認してほしい」と呼び掛ける。

県内で実施されている学校施設の緊急点検でも、自治体の対応は割れている。同法の基準に満たないものについて、宝塚▽小野▽南あわじ▽猪名川▽多可-の3市2町は撤去する方針で、明石▽加西▽三田▽稲美-の3市1町は使用禁止としている。一方、芦屋市、播磨町などは「安全性が確保されている」とし、引き続き遊具として利用する方針。神戸市教育委員会は設置数や管理状況が把握できていないとして、市立学校園に緊急点検を指示した。

突然広がる撤去や使用中止に、困惑の声も。神戸市西区の少年野球チーム「王塚台南コンドルズ」の嶌(しま)吉雄監督(58)は「私たちの世代とは違い、隣家の壁を拝借してボール当てはできない。安全性を確保してなんとか残してほしい」と訴える。三田市立本庄小学校では、投てき板に児童の卒業制作による宇宙の絵が描かれているといい「撤去方針だが、せめて絵だけでも残したい」とした。

兵庫県立大大学院の室崎益輝教授(防災計画学)は「大地震のときに凶器となり得る構造物は補修や撤去を進めるべき。自治体は子どもの命を守るために必要な改善を自発的に行うことが求められる。国の指示を待っていると対応は後手に回るばかりだ」と指摘している。

児童が近づかないよう応急措置をした加西市立北条東小学校の投てき板=21日午後、加西市北条町西高室(撮影・森 信弘)